湾岸エリアは毎日のように風が強い?

風力発電

「湾岸エリアって風が強くて嫌」という話はよく聞きますし、自分でもそう思っていました。
しかし、表参道から引っ越してきて数カ月、確かに多少強いような気はしますがそんなに変わらないような気が…。

東京2地点の風速を比較

気象庁のデータを比較してみようと思ったところ、近くにはアメダスが置かれておらず、「東京」と「江戸川臨海」という地点があり、その2地点のほぼ間あたりに豊洲がある配置になっていました。赤い丸が豊洲あたり。
それぞれ東京は北の丸公園、江戸川臨海は葛西臨海公園です。

アメダスがない地点の場合は、2か所の間を取るらしく、豊洲の場合は距離はやや北の丸公園寄りですが、海寄りでもあるので中間と考えてもよいのかなと思います。

いずれにしても葛西臨海公園のアメダスはすごい海岸沿いに置いてあります。

1日の平均的な風速と最大風速

まず過去1年 (2020/11/10~2021/11/9) の毎日の平均風速と最大風速の2つのデータを集計しました。
この平均風速と最大風速を1年分合計して、365で割ってみます。結果はこちら


臨海北の丸
平均風速の1日平均3.47m2.70m
最大風速の1日平均7.25m5.73m

当たり前ですが、葛西臨海公園の方が強いという結果となりましたが、両地点そこまで変わらない数字に見えます。平均って特徴捉えにくいですよね。

参考までに、より太平洋に近い羽田とより内陸の練馬の数値も載せておきます。

羽田練馬
平均風速の1日平均4.96m1.35m
最大風速の1日平均9.11m3.57m

やはり海からの距離の影響はかなり大きいですね。海に近い方が風が強いのはみんなそう思ってると思いますが、練馬とここまで差が出るとは…。

これは内陸住みの風嫌いな人が湾岸を嫌だというのは自然なことのように思います。

非常に風の強い日が何日あったか

気象庁の基準では「非常に強い風」は風速20m/sとなっています。この非常に強い風が一瞬でも吹いた日が1年で何日あったかを見てみます。

臨海北の丸
最大風速20m/s以上の日数1日0日

葛西臨海公園のみ1日という結果となりました。1年で1日しかないんですね。2021年は体感で3日くらいあったような気がするのですが…。

一応このデータによれば豊洲あたりだと非常に強い風が吹く日が1年で1日もない可能性が高いということになるかと思います。

参考までに羽田も練馬も20m/s以上の日はゼロ日でした。

次に両地区の最大風速ベスト3を見てみるとこのようになります。

臨海 北の丸
1位20.2m(1/7)12.4m(8/9)
2位18.1m(8/9)11.0m(8/10)
3位17.9m(8/10)11.0m(3/3)

これを見ると結構差がありますね。

8/9と8/10は台風9号の影響があった時です。温帯低気圧に変わってから猛威を振るった台風で各地で大きな被害が出ました。

臨海で20mだった日は台風の日とは別の1月7日で、この日は爆弾低気圧の日でした。

豊洲の場合ではこの中間あたりの数値を想像してみるとよいかと思います。

やや強い風の日が何日あったか

そこまで強い風じゃなく、そこそこ風が強い日は多いんじゃないの?と思う人も多いと思います。
そこで気象庁の基準では風速10m/s~15m/sが「やや強い風」ということですので、10m/s以上の日を数えてみました。15m/s以上も含みます。

臨海北の丸
平均風速10m/s以上の日数2日0日
最大風速10m/s以上の日数58日8日

1日の平均で10m/sを超えるというのは結構すごいと思うのですが、葛西臨海公園では2日ありました。
また最大風速で10m/sを超えた日で見てみると葛西臨海公園は58日と、ここで明らかな差が出ました。
この58日というのは1年の15%です。北の丸公園の8日は2%。
単純に中間だと仮定して計算すると、豊洲あたりは年間9%の日で「やや強い風」が吹くということになります。2週間に1日以上はある感じの数値ですね。

参考までに羽田と練馬です。

羽田練馬
平均風速10m/s以上の日数3日0日
最大風速10m/s以上の日数115日0日

羽田は風強いなというのと、練馬は本当に風がないですね。

台風のあった8/9の最大風速はいくつだったのかと思って調べてみたら8.4m/sでした。

まとめ

豊洲あたりだと確かに都心よりは風が強いだろうけど、当たり前のことながら毎日というレベルではないという結果でした。

都心だと毎日ビル風はすごかったりするので、都心とあまり変わらないように思ったのかもしれません。

また位置的にお台場やビッグサイトの方だとまた違う可能性もあると思います。晴海フラッグあたりも臨海の方を参考にした方がいいかもしれません。

ここからは予想ですが、湾岸エリアには橋がたくさんあり、しかも晴海大橋のように非常に大きな橋もあります。橋の上は結構な強風が吹きますよね。
遮蔽物がないことと堤防の収束効果で橋の上の風は強くなるらしいので、大きな橋の上は常に強い風が吹いている可能性もあります。
そして湾岸エリアに来ると橋を渡ることが多いので、その時の印象から湾岸エリアは毎日風が強いという印象になるのかなという気がしています。

加えて障害物のない広々した場所も多いので都心とは感じ方が違うかもしれませんね。

2021/12/18 追記 この記事書いてから風が強い日がやけに多い気がするんですよね…。

2 COMMENTS

湾岸エリアの湿度と乾燥 | ワンガネット

[…] 以前に風の強さを調べた時に気象庁の過去データを使いました。この時は、葛西臨海公園と皇居(北の丸公園)、練馬、羽田空港を比較したのですが、温度や風と違って湿度については気象台のような大きな施設でないと計測されていませんでした。 […]

返信する

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です